「熊さん、どうして組長のことが嫌いなんですか?2人はよく家の庭で遊んでいるじゃないですか?」
「そうだよ、熊。俺達、親友だろ?」
執事の言葉にのる組長。
(・・・この人たちって・・・小学生?)
私のそんな疑問は置いといて、熊さんが執事と組長の質問に答えた。
「・・・大和・・・俺の背中・・・に・・・カエル・・・入れた・・・俺・・・カエル・・・嫌い・・・」
私と執事が、真冬のような冷たさを持った目で組長を見つめる。
(・・・間違いなく組長の頭の中は小学生だよ・・・)
「・・・そんなことしたんですか、大和?」
「・・・出来心って奴?」
お茶目に笑う組長。
「何が出来心ですか!」
執事に殴られ壁に思いっきり叩きつけられる組長。
その音に反応して、警察官が病室に飛び込んできた。
「いえ、何でもありません。」
殴った後とは思えないほどの爽やかな笑顔の執事に言われ、不審な顔を作りながらも素直に病室を出て行く警察官。
大勢の組員は、ドアの外にいるにも関わらず、いつものことと誰一人飛び込んではこなかった。


