「・・・組長、あなた、何をしてるんですか?」
「えっ」
執事の声に驚き、アイスを手に持ったまま、真木ヒナタの側を離れる。
「いや、ほら、ヒナタ、アイス好きだろ?だから、アイス食べさせたら、目覚ますかなって・・・。」
「・・・本気ですか。」
いつものようにコブシをにぎる執事。
「・・・これが本気だと・・・だめかな?」
何故、執事がコブシをにぎるのかわからない様子の組長。
「・・・大和には、組長としての知識より先に人としての最低限の常識を教えるべきでしたね。」
コブシをゆるめ、大きくため息をつく執事。
私はそんな様子に苦笑しながら、花瓶を元の場所におく。
「・・・小夜・・・食べる。」
そんな状況で先に病室に到着していた熊さんが口を開く。
「え、何?弁当?俺も食べてぇ~な。」
熊さんの持っている重箱に目をつけた組長がくいついてきた。
組長のその言葉に熊さんがあからさまに嫌な顔をつくる。
「え、何?俺は食べちゃだめなの?」
熊さんの表情を見た組長が驚いて文句を言った。
「・・・だめ。」
熊さん、組長を一刀両断。
「組長なのに。」
「・・・俺・・・大和・・・嫌い。」
「うそ!何で?あんなに仲良かったじゃん!」
「2人とも落ち着いてください。」
興奮する2人の間に執事が仲裁にはいる。


