「・・・・・」
無言になる私と執事。
ポチの目からは涙が流れ始めた。
「しょうがないですね。それでしたら、ポチさんも一緒にいただきましょう。」
執事もしょうがなくポチの同席を認めた。
私も、もうひとつお茶をコップに入れて、席について熊さんのお弁当をいただいた。
「相変わらず、熊の料理は絶品だな!」
組長は熊さんの背中を叩きながら、うれしそうに食べている。
結構な勢いで組長に叩かれているのに熊さんは微動だにせず、いつもと変わらない笑顔の熊さん。
「さすがですね。」
執事も納得の表情でいただいている。
ポチは・・・私は、ポチの表情を観察しようとしてやめた。
だって、ポチは涙流しながら、さらに鼻水も流しながら、おにぎりを食べていた。
「病院食と違ってうまいっす!・・・でも、何か微妙に塩が多いような?」
(・・・おにぎりと一緒に鼻水も口の中に入ってるからよ!)
私は、突っ込みたかったけど、食事中なのであえて無視した。
本当にポチは・・・。
私にとって最高の反面教師だった。


