ブリンの住みかについた人魚姫はスイスイと勝手に中に入り、叫びました。
「はぁーい♪偉大な海の魔女ブリン!私を美しい人間にして下さいな♪」
すると奥から目をこすりながら眠そうにブリンがやってきました。
「あ〜せっかく寝てたのに……人間には出来るけど、どんな理由でなりたいのか言っておくれよ」
あくびをしながらブリンは言いました。
すると人魚姫は目を閉じて、想像するような顔つきで言いました。
「何を言ってるの?なりたい理由なんて一つしかないじゃない!浜辺を走るためよ!!あれこそ私に似合う最高のシチュエーション!」
人魚姫のそのきらきらした顔を見ながらブリンは思います。
(落ちたものだね、人魚姫…)
ブリンはあきれていました。
◆



