そして今日もまたいつものお散歩コースをふらふらになりながら歩いていました。
なんでそんなになってまでその道を毎日歩くのか、それはアリに出会った場所だからです。
キリギリスはその道に行けばもしかしたらアリに出会えるかもしれない、そう心の中で思っていたのかもしれません。
しかし冬ゆアリに会えるはずがないのです。ほかの虫たちはみんな、すみかで冬を過ごしているのですから。
人っけ(虫っけ)のないその道をキリギリスは一人、トボトボと歩きました。
するとどこからともなく、楽しそうなわいわいと騒ぐ虫たちの声が聞こえてきました。
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