するとキリギリスはアリが手に持ってかついでいるおかしのカスに気づき、いいました。




「なんでそんなもんをかついでいるんだ?」




[重そうだから持ってやる]
そう言おうと思ったのですがなかなか言えません。




アリはにっこり笑って言いました。




「冬に備えてるんですよ。今のうちに食べ物をたくわえておかないと冬に困りますから」




えらいな……
キリギリスは感心したのですが口は思っていることとはちがうことを言ってしまいます。




「バカじゃねぇの?そんなことしてたらせっかくの秋を楽しめないぜ。いちいち細けぇな」




また言ってしまった……




キリギリスは悲しくなってしまいました。