「そうけ~・・・んなら、丁度ええわ。うん、丁度ええ。あんた等も良かね?」
「あ、あの~ミオさん?俺もタケルも、話題について行けないんだけど」
「お兄さんも同感。説明を求めたい」
「え~?二人とも、説明しないと分からないのけ~?」

 ミオが二人に説明しようとしたその時である。

「出来た~!」

 そう叫ぶと、飛鳥は席から勢い良く立ち、『極秘!』ノートを力いっぱい抱きしめる。
 そのせいで、しばし三人は硬直してしまった。一方、飛鳥はあっけらかんとした顔で言う。

「で?ミオちゃんは何が言いたいの?」

(ええ~!聞いてたのかよ~!)

 雷に打たれるような衝撃が剛とタケルを貫く。
 しかし、ミオはまたもや気付く事なく話を続ける。

「ああ、飛鳥ぁはここ来んの初めてだったさね~?来週末に御代名物、『陣龍祭り』があるんさね。まあ、分かりやすく言うと、夏祭りさ~ね」
「んで?夏祭りと何の関係があるんだ?」
「そうそう。確かに夏祭りの始まりはお兄さん家の寺からだが、それと神社、関係ないし」

 男子の鈍い反応を見ると、ミオは「この鈍感!」とでも言うように話を続けた。

「あんたら、あったま固いね~?祭りの時に、御代町を案内すりゃ~良いじゃないのさ」
「ああ!」

 剛とタケルは、やっと分かったのか、それぞれ「成る程」だとか「頭いい!」などと言う。

「全く、何なんだかね~。まあ、いいさな。つー事で、三人共OKかい?」
「お兄さんはどうせ暇だしいいよ~」
「俺も、行く相手いなかったし丁度いいや」
「うん。私もOKかな?御代町の事、もっと知りたいし」

こうして、四人は陣龍祭りに行く事になった・・・