「ねぇ、カンちゃん、絶ぇーっ対に
雪野さん性格悪いって!!」

「…………………」

(聞いてねぇ。っつーか聞こえて
ねぇな、コイツ。)

女ってのは大抵好きな男の前では
猫被るもんです。ハイ。



美鶴が腹の中で黒い事を考えてい
ると、後ろの方から声がした。

「美鶴!…と、あぁー。和俊。」

「あっ、横塚先輩!」

「今明らかに僕の名前呼んだ時に
テンション下げましたよね!?」

「うるせィ。下げたんじゃねェ。
下がったんだ。不可抗力だ。」

「イヤイヤイヤどうして僕の名前が先輩
のテンションを不可抗力で下げるん
ですか!?」

「うるせィ。帰れ。お前。」

「言われなくても今まさに帰って
いる途中です!!」

「じゃあ美鶴、お兄さんと良い事
しようか?」

「えっ?ぇえっ!?」

横塚と言う男は美鶴の肩を抱いて
スタスタと歩いて行った。

「美鶴ーーーー!!!」






「ジュース代返せーーー!!!」