涙にKISSして




驚いているあたしを秋ちゃんは何か言いたげな瞳で見つめていた。



でもあたしはその瞳を見つめてはイケない気がして、視線を逸らしていた。





コツコツ


とまた上品な靴の音を立てて、秋ちゃんは壇上を下りる。





そして彼の足はあたしの方に向かってきていた。



5mほど間隔をあけて秋ちゃんはあたしの前に立ち止った。