……初めて、なんだ。
「何て言われたんだ?」
そう聞いてくる尚。
「え?何でもないよ!」
そう言ってあたしはパスタを口にした。
「あ♪おいしいな。ね?尚」
そう話を誤魔化した。
「そう……だな」
って、何か怪しそうな顔してたけどまたパスタ食べてるしいっか。
あたしも静かに微笑んで、パスタを食べる。
するとしばらくして、梨佳さんが灰皿を手に近づいて来た。
それを尚の前に置くと、梨佳さんは口を開いた。
「はい。吸うんでしょ?不良弟」
すると尚は梨佳さんを睨んだ。
「お節介すんなよ。吸わねえよ」
……え?
尚の一言にキョトンとしたのは、あたしだけじゃなかった。
梨佳さんも目をぱちくりさせて尚を見つめる。

