「え……尚?好きなの?」
そう聞くと、尚は眉間に皺を寄せる。
「別に好きじゃねぇよ」
え???
「じゃ、何で?」
「お前怖いの駄目なんだろ」
って言った。
あたしに……合わせてくれたの?
優しい尚にときめいていると、尚はチケットを手に歩きだす。
席について尚はあたしの手をずっと握っていてくれた。
映画が始まって……チラッと尚を見る。
観てるのかな?
って見たけど、寝てるし。
まぁそうだよね。
うん。分かってたよ。
さっきの話聞いて、興味ないのは分かってましたよ。
はい。
予想通りですよ。
そう思っていると、尚の頭があたしの肩に乗ってきた。

