「可愛いじゃん……」 って……。 あたしに言ってるの!? 「え……あ、りがと」 バクバク心臓が暴れる。 するとあたしの手を握って、尚は口を開いた。 「……行くぞ」 スタスタと歩きだす尚にあたしは必死で着いていく。 町に出ると、尚の姿を見て男も女もこっちを見る。 ……うわぁ。 超目立つじゃんか。 「ねぇ尚?」 「ん?」 集まる観衆の中を平然と歩く尚にあたしは口を開く。 「視線が痛い……」 そう溢すと、 「じゃがいもだと思え」 って……子供のお遊戯会じゃないんだから。 無理言うなよ。