やっと唇を離すと、尚はあたしを抱っこして歩き出した。



そしてマンションに着くと、あたしの部屋の鍵を開けて中に入る。



「……尚?」



ボーっとするあたしは必死で尚の名前を呼ぶ。



すると尚はあたしを抱っこしたまま口を開いた。



「一緒に風呂入るぞ」



……へ?



「っちょ、まっ」




抵抗した時には時すでに遅し。



もう洗面所に入って尚は制服を脱ぎだした。



「はい。万歳」



いつもより優しい口調であたしに指示してくる。



……。



あたしは恥ずかしさを押し殺してそれに従う。



タオルで体を必死で隠しながら尚に連れられて浴槽に入る。



すると尚は満足そうに微笑んで、濡れたあたしの髪に指を通す。



「……美麗」