『満様ッ!?』 背中の方で 声がした。 俺が部屋から飛び出したのが 原因だろう。 でも今はそんなこと どうだっていい。 はやくリィを…。 会いたい。 広い玄関の横にある コートを羽織った。 このコートに袖を通すのは これで2度目だ。 リィと出かけた あの思い出の日。 あの時の 彼女の香りが まだ少し残っていた。 その時だった。 バサッと 紙がコートのポケットから 落ちたのは。