リィがこの部屋を去って
もう数日が過ぎた。
なのに
俺は自分を失いそうだった。
まるで心に穴が開いたよう。
昔‥に
リィに会う前の生活に
戻っただけなのにな。
そんな時
あの婚約者が訪ねて来た。
『満様、
お久しぶりですわね。
お会いできなくて
寂しかったんですよ。』
『毎日、
会いに来ているだろ。』
長い鬱陶しい髪を
垂らしたまま
会いにくるなんて
腐った根性だな。
『俺は会わなくて
せいせいしていたが。』
『あら。
私はお会いしたかったわ。
あのロボットにも
嫉妬していましたの。』
アナタが唯一
心を許していらっしゃった
ようだから。
と、つけ加える。


