『リィ、換気してくれ。』 アイツの甘ったるい香りが 鼻をかすめることさえ 気分が悪い。 『どうして動かない?』 目に止まったのは 俺に背を向けて立ちすくむ リィ。 故障か…? そう思った時だった。 『麗様は満様の婚約者であり ご子息を授かる方。 あのような扱いはどうかと 思われます。』 リィは かすかに声を発した。 その声は 今にも消え入りそうで 不安を隠しきれてなんか いなかった。 『リィ、お前は 俺に捨てられるのが 怖いのか?』