「そういえば、“もう1人の君”の方はどうですか?」
「……それが変身できなくなってしまったんです。
っていうか、変身まではできるんだけど、能力が変わらないっていうか……。」
不思議と、あの事件があってから、変身をしても身体に疲労や自身喪失することがなくなった。
「アハハ……本当に君は面白い。
それは、君の能力があがったからですよ。
一定の力、限界を越えれば、体はもちろん覚えています。
そのおかげで力を最大限に発揮しても、普通の状態でいられるんです。」
メガネをかけなおしながら理論的に説明をする先生の瞳はキラキラと輝いている。
「その力があってこその、この世界。
君たちの努力を水の泡にしてしまわないように、大切にさせていただきます。」


