「ったく、こっちは寝てるんだから静かにしてよ。」
「夢乃っ!!」
わっ、と勢いよく駆け寄ったのはリウだった。
「何?そんな心配してくれなくてもよかったのに。」
「バカっ!!そんなこといわないでよっ。
ホントに……ホントに、よかった……っ。」
白いワンピースを身にまとう夢乃の胸で肩を揺らすリウに夢乃は少しこまった顔をしていた。
「夢乃。お前を助けられなかった。本当にすまない。」
「ぷっ。何改まってんの?大体、気づいたときにはすでにもう1人の俊……ゼロに斬られてたっての。」
リウの頭をなでながら夢乃はさらりといった。
「記憶、あるのか?」
「なんとなくだけどね。
最後のほうはシイラも限界だったみたいでほとんど覚えてる。
でもまさかあの姿が本当の姿だったなんてね。魔法使いはみんなそうなの?」
「バカ言え。あんなのが魔法界にごろごろいたら戦争ばかりの世の中になっちゃうよ。」
ルカが腰に手を当ててえらそうに胸を張る。
本当に平和だ。
温かい日の光を浴びて、みんなとこんな風に話して。
全部、真っ白だ。


