「………ロ、ゼロ……ゼロ!!」
「っ!!」
ふっ、と空気が一気に体内に入って、俺は目を開けた。
「よかった……やっと目を覚ました。」
安堵の息をもらすルカの柔らかな微笑み。
白いカーテンが揺れる先には絵の具で塗ったような青空が広がっていた。
「1週間も眠っていたんだ。」
「………夢乃は?
夢乃はどこにいる!?」
「落ち着きな。
ゼロが使った魔法は、どうやらシイラにだけ効いたらしい。
倒れていた夢乃は見事に無傷。
ダメージはシイラだけだったみたいで夢乃はすやすや眠っていたよ。」
「………そっか。よかった……。」
リウの姿はもうない。
あいつはこの世に存在しないものになってしまった……
あいつの最後の覚悟。
あいつの最後の笑顔。
あいつの最後の言葉。
─────好きだよ。


