炎に包まれたシイラは断末魔の叫びをあげながら消えた。




















「………終わった。」



全部、終わったんだ……。




「ゼロくん!!大丈夫ですか!?」

「先生……。平気です。先生のほうこそ大丈夫でしたか?」

「君がシイラを倒したと同時に消えてしまったよ。
おそらくシイラの力が無くなると、悪魔達は本来の力を発揮できずにきえてしまうんだ」







その言葉に安心したのか今まで感じなかった疲労感が俺を襲った。




「………っ!」


「ゼロくんっ。」





あわてて支えてくれた先生の体にうずもれながら俺はいやな予感がした。













「先生……俺、まだやんなきゃならない仕事が残ってる……。」


「無茶だ!!この体でこれ以上魔力を消費し続けたらそれこそ命を落としかねないぞっ。







厳しく言う先生の声もだんだんと聞き取れなくなっていく。










「リウが……俺の中にいるんです……。このまま中途半端に終わらせたら、あいつすげー怒るだろうな。


行かせてください。

あいつが一緒なら天国だろうが地獄だろうが苦になりません……。」





重たい頬を上げて無理に笑う俺を、先生は寂しそうな目で見ていた。







「それが君の願いなら僕は止めません。
その仕事、必ず成功させてください。それが最後の君に与えられた僕からの試験です。」





そういうと先生はマントをひるがえした。