「ふんっ、だったらあんたとあたしは敵だ。
この状況だったら2人力を合わせて人間兵器を倒して一緒に人間界を手にしようかと思っていたのに……。」
「それこそお断りよ。人間界はあんたのものじゃない。
みんなから奪うようならあたしは許さない。シンでも死にきれるもんですかっ。」
自分の失言に気づきなさい。
そんな言葉が耳元でささやかれたときには私の体は後ろに飛んでいた。
「……っ!!」
地面に打ち付けられた体。
周りにたつ砂埃の中にすでにそばまで来たシイラが立っていた。
「あんたみたいな正義のヒーローになりきれない魔法使いってホントに哀れ。
こんな風に自分の人生が終わるなんてまさか思ってないでしょうね。」
にたにたと薄気味悪いくらいに笑うシイラ。
その瞳から逃げられない私の体。
「さよなら。リウちゃん。」
振りかざされた手。
私は目をつぶることもできない。
ダメだっ!!


