どういうこと……?
「まだわかっていないようだね。
あのゼロっていう魔法使いが望んだことをすればいいんだよ。」
「……もし俺が俺じゃなくなったら逃げろってね。
でも、そんなこと絶対にできない!!」
息もつかず私は一気にシイラに向かってわめいた。
シイラは何も言わずただ私を見つめる。その姿は夢乃とかぶった。
「逃げろ……か。
言っておくけど、あのゼロって男は滅びかけた国の子孫なんだよ。
しかも尋常じゃないほどの魔力をもった魔法使いも恐れるね。
あんたが行って助けられるほど簡単なもんじゃないよ。」
突きつけられた現実。
私は理解できなかった。
ゼロが滅びかけた国の子孫?
しかも同じ魔法使いも恐れる国……。


