あれ……ここ─────。
そこはグレーの重たい雲がたちこめた東城邸だった。
でも何かおかしい。
東城家にいたSPはそこらじゅうに倒れている。
夢乃と舞……リウの姿はない。
突然体が勝手に動き出して、倒れていた1人を無理矢理たたせる。
──────リウ!!
傷だらけの体をふらふらしながら支える。
助けたいのに……っ
何があったか聞きたいのに……っ
なんで体が言うことをきかないんだよ!!
「ゼ……ロ
お願い……もどっ……て。」
戻る………?
その時だった。
俺の腕が勝手に動いてリウの細い首に手をかけた。
そのまま持ち上げる俺は必死に心の中で抵抗した。
────やめろ!!
───離せ!!
「………っ!!ゼロぉぉぉぉぉぉ!!!!」