「なんかさ、いいなずけっていうより姉弟に見えるんだけど……。」
「うん、私も。」
いつの間にか無視されていた私たちはすみのほうで、夢乃の様子を見守っていた。
「じゃあさ、あの子ちょうだい♪そしたら婚約解消してあげる。」
なっ、なぜに私!?
「絶ぇっ対ダメっ!!
アンタなんかに渡したら舞が何されるかわかったもんじゃない!!」
「ひぃっ!?」
嘘でしょぉっ!?
本人の目の前でリアルなこといわないでよぉ!!
「あぁ……その手があったか!!
うんっ。いいねぇ、毎日叱られた〜い♪」
どMですか!?あなたは!!
「おい、お前!!
いっとくけど、コイツは今まで一度も彼氏持ったことないし、とにかく怒ると手をつけられなくなるからやめたほうがいいぞ!!」
イラッ!!
「すいませんねぇっ!!彼氏できたことなくて!!
これでも仕事優先ですから!!」
なんなのよ!!
ちょっとは感心したと思ったのに………本当なんでこんなヤツと幼なじみなんだろう?
「なんだ。彼氏いたんだ。」
明らかにつまらなそうな顔をしたルカ君。
話聞いてた?
彼氏いないんだって。
「あれ?バレちゃった?そうだよ、コイツは俺の女。」
急に後ろから抱きつかれる………って
「はぁっ!?何いってんの!?ちょっとっ離して!!」
普通に心臓バクバクしてるからっ。
「やぁだ♪離さないもんねぇだ。」
口では笑ってるけど目が笑ってないよ……俊さん。


