シュッ!!
俊の手の中からでてきた長剣。
剣の周りにはボォッと赤いもやが取り囲んでいた。
もしかして……!!
あれが、代々リーゼ一族に伝わるっていう魔剣!?
よくみると、俊の剣を持つ手がカタカタと震えている。
しかも、俊の瞳はまるで、妖怪の様に真っ赤に燃えているかのようだった。
『まだ、操りきれていない剣を使って太刀打ちするつもりかしら?』
「………うるせぇ。こんぐらいなんとかしなくちゃ、リーゼ一族の恥だからな!!」
俊の顔はすでにつらそうで、見ているこっちが倒れてしまいそうだ。
「俊っ、だめ!!そんなもの使ったら体力を無駄に消耗するだけよ!!命がいくつあっても足りない!!」
ここは私がなんとかしなくちゃ………!!
あの人に金縛りがきくかどうか…………
いけっっ!!!!!


