長い髪の間から見えている夢乃のお母さんらしき人は微妙に透けている。 相変わらず、身動きの取れない私は、ただただその光景を見つめているだけ。 そのとき、頭のなかから誰かの声がひびいた。 『夢乃……。さぁ、一緒にあなたの本当の世界へ行きましょう。 ここはあなたがいるような世界ではないわ。』 え─────。 夢乃の本当の世界……?