しばらくして、 先生が、背中に長い腕を回してきた。 先生の匂いにつつまれ… どこか、満たされたような気がした 安心する… いつまでもこの腕の中に居たいとさえ、思った。 「ありがとう、…茉莉。」 先生が耳元で囁いた。 いつもの自分の名前が特別なよう聞こえ、 自分の顔が熱くなるのを感じた。 「…っ」 言葉に詰まって、顔上げた。 すると、 真剣な先生と視線が絡み合い、さらに顔が熱くなった。 慌てて、先生を腕で押しのけた。