今日もしばらくすると渡部先生がやってきた。




「よぉ、拓也」
「渡部先生」
「今日も来てたのか。香山」
「はい」
「お前もだろうが。ってか、拓也って呼ぶなよ」
「堅いこと言うなって」
「堅いことじゃなくてな…。健一」
「ほらっ。拓也だってって名前で呼んでんじゃん」
「……わかったよ。その代わり、ここだけだからな」
「あいよ~」






お互いに会う度に何度も名前で呼びあっていた。




「あ、香山。他の生徒に話すなよ」
「はい」