彼とあたしの秘密の事情


「わかりました。

 わざわざ、電話を下さってありがとう
 ございました。

 じゃあ、あたしはこれで・・・」


「本当に、本当にありがとう。

 凌も喜ぶわ・・・
 じゃあ、明日ね・・・ 。」


あたしたちは、そう言って電話を切った


そして、あたしはすぐさま
栞に電話をかける・・・


「もしもし、栞!?
 急なんだけど、明日の試合、一緒に
 見に行かない?

 凌さんの最後の試合だし・・」


本当は、一人で行くのが不安で
不安でたまらなかった


怖くて怖くて・・・

どうしようもない気持ちだった


「いいけど・・・
 わかなこそ大丈夫なの?

 凌さんのことで・・・」


「大丈夫だよ。
 最後ぐらい、笑って凌さんを送らないと」


そうは言いながらも、涙が自然と
出てくる・・・