―春― 時間を巻き戻せたらなんて、本気で思ってしまった。 目の前で起こった光景が今だに読み込めない。 綾香とぶつかった見知らぬ男は、 「綾香…?」 ボソリッと目を見開きながら呟いた。 「……流治(リュウジ)!?」 流治?? 知らない名前…。。 もしかして…… 「ごめん、大丈夫か?」 そっと手を差し出して優しく綾香を立ち上がらせると、男は微笑んだ。 「ううんっこちらこそ、ごめんね?」 ぎごちない綾香に 俺は、確信した。 流治という男は、綾香の“元カレ”だってことに―…