千夏が指差す方を向くと、同い年くらいの男の子と仲良く校舎を出たところだった。
「なんだ、浮気じゃないんだ。」
と少しガッカリしながら千夏が一息つくと同時に春達の後ろから
見知らない女の子が現れて春達と立ち止まり何か喋り始めた。
「「………えっ。」」
二人して顔を見合わせるとまた春達に目線を移した。
「…誰あの子。綾香知ってる?」
「知ってたら胸が痛まない。」
ズキズキと痛くなる胸に手を当てながら暫く、三人の様子を見ていた。
すると不意に女の子がこちらの方を向くと
「あっっ!!」
あたし達にも聞こえるような大声をあげた。
「ヤバイ…バレたかもよ?」
バレるわけないよ…
あの子知らないもん。
だからあの子もあたしのこと知らないはずだよ?


