その赤薔薇を手折る時




楽譜を目の前に、ヴァイオリンを手にする主人をしり目に執事は長い溜息をついた。



アスカの音感は最悪。


リズム感はまったくなし。


楽譜も読めているのか検討もつかない。



アスカも頑張っているのは分かるのだが、まったく進歩していない様子。



やれやれ。



忠誠心など投げ出したい思いのルインだった。




「違いますよ、坊ちゃん。そこはもっと感情的に」


~~~♪~~♪~~



「坊ちゃん、もっと優雅に!」



♪~~・・・♪♯~



「楽譜見ているのですか?!もっと楽しそうに!!」




・・・・ぶちっ・・・



バンっと大きな音で楽譜版を蹴り倒し、ルインにビシッとヴァイオリンを突きつけた。




そして・・・。