「ならば、あなたの指示で動く駒は友人となりましょう」
「!」
ルインの言葉に目を見開く。
なにを言っているんだこの男・・・。
駒が友人?!
「お・・・お前のいう友達は駒か!」
「はい」
あっさりと返ってきた返事に困惑する。
友達を大切に、友好は心。
大人たちのありふれた言葉とはぜんぜん違うんだ。
執事は、冷酷だ。
「あくまで、私の言う友人関係はお飾りです。」
「飾り・・・。」
「世の中をよく見るための踏み台にしかならない。しかし、その踏み台が時に有効に使えるならば・・・。」
そっとルインの影がアスカにおおいかぶさった。
アスカの耳にそっと囁く甘い声。
「使えるものは使わなくては、ね?」
主人に仕えし執事は冷酷さも身にもつ男だった。

