「先生、ウンコに行ってもいいですか」

わざわざ挙手をしてそんな事を言うヤツがいた。

それまでは静まり返り教師が黒板にチョークを走らせる

カッカカッカッカッ

という音だけがやけに大きく響いていた教室が、一瞬のタメの後爆笑に包まれた。

教師はその生徒に目を向けヤレヤレといった顔をわざと作った後、片手でシッシッと許可を与えた。

生徒は机の中に入れていた右手を出し、握り込んでいた物をさりげなくズボンのポケットにねじ込みつつ教室を出て行った。