檻に戻るとかびたパンとさびたコップ
一杯の水が置かれていた。
「次はいつ食えるかわかんねえんだから
ありがたく食えよ」
男は作業の前に必ずみるあの笑みを
飽きずにまたしていた。
ガッチャ・・
重い扉がしまるとあの少女が頭に浮かんだ。
・・殺せなかった。
一般人に姿を見られることは
つまりこの組織を知られるということ。
しくじれば...死あるのみ。
ばれるのも時間の問題だろうと思った。
誰かに言わないわけがない。
いっそ殺して欲しかった。
次に扉が開いたら死がまっているんだと
思うと待ち遠しかった。
なんであのとき…
生き残ってしまったんだろうか

