二人が席をたった後
四人がけの椅子に
綾瀬と俺の二人になる。


「あんたさ~。」


「ん?」


「葵の事好き~?」


ブッ。
口の中に入っていた
コーラを吹き出した。


「きたな~!大丈夫?ちょっとちょっと~。」


咳き込む俺。
机を拭く綾瀬。

「ごめ…。」


動揺し過ぎだっつ~の。
つーか…。


綾瀬と目が合う。


「なんでまた。俺が高橋ちゃんを?愁斗の彼女を?」

「うーん。でも実際本気の恋に、理性なんて働かなくない?」


「いや~どうかね~。」

とか俺言ってるけど
激しく同意だよ綾瀬。うん。その通り。

「あんなに節操のなかった阿部っちが~?あんなに彼女の絶えなかった阿部っちが~?なんかーにおうんだよねー?」



「気のせいだって~。」




やだな。俺の回りは
勘の良すぎるヤツばっかだ。


ドリンクバーにいる
二人をみる。




「好きなんかじゃない。」



俺はあいつの
友達。
高橋は
その友達の彼女。


高橋からみたら俺は
彼氏の友達。