あぁ…だりぃ。
半端ねぇ…。
つか木村に悪いな…。

「じゃあ、行こっか。大丈夫?立てる?」


「…ん。ごめ…。」


立つとやっぱり目眩がした。

あ~相当キツいなこりゃ。


木村に支えられて
下駄箱に着いたとき

高橋と啓哉が
靴を履き替えていた。

啓哉が俺たちに気付く。


「あっ。愁斗!大丈夫?お前帰んの?」

「うちさぁ、高橋と家近いから送ってくから、安心して!」

つか、待て。
なんで高橋と啓哉が
一緒にいんだよ?

「…おう!じゃあよろしくな!啓哉気をつけろよ!先輩には俺が言っとくから!」


「よろしく…。」


啓哉の影になって
高橋が見えねぇ。



「阿部くんっ…。行こう。」


高橋…?



「じゃあ木村!よろしくな!」


高橋は俺の方を
見もしないで
啓哉と走って行ってしまった。



「あ…ごめん。なんか。」

「いや。全然…。」


「じゃあ。駅まで先生が車で送ってくれるから駐車場行こうか。」




「ん……。」



今は頭痛よりも
胸の痛みの方が
ずっと大きかった。


俺だせーな。
まじで。