あたしには慶斗しかいない。
なにを迷っていたんだろう。
オーニスのもとへ走った。
「オーニス!」
オ「鈴奈。」
「あのね、聞いてほしい。」
オ「おう…」
「あたし…オーニスがこないだ言ってくれた言葉に揺らいだんだ。あたしね、日本に彼氏がいるの。待っててくれている。なのに、オーニスに揺らいだ。彼氏には最低だと思うけど、オーニスの言葉本当に嬉しかった。あたしたちこの街で出会って、別れて、また逢えた。楽しい思いもしたけどそれ以上に辛い思いもした。でも、幸せだった時があるから辛いってわかるんだよね。あたし、やっとわかった。本当にありがとう。気持ちに応えることはもうできないけど、あたしは…あたしは…ッオーニスのこ、と…ッ大好き…だッよ、ご…めッん」
我慢できず、泣いてしまった…
オ「大切な人がいるのはうすうすわかってた。なんたって指輪してるもんね。」
悲しそうに指輪を見ながら言った。
「ごッめ…ん」
オ「なんで謝るの?俺がいけねーんだから、鈴奈は悪くない。むしろ大切な人がいてよかった。幸せだったんだな。」
「な、んで…そんッな、か…お、して…いうッの?」
オ「…俺は今も鈴奈が好きだ。でもこの気持ちで鈴奈が幸せになることはない。」
「…ヒッ、…ク…」
オ「俺は鈴奈に辛い想いをさせた。そんな俺は鈴奈を幸せにはできない。鈴奈、幸せにな。ありがとう。」
今にも泣きそうな顔でオーニスはどこかへ行った。
もう逢うことはない。
ごめんね。
でもたくさんの想いありがとう。
オーニスに大切な人ができることを祈ってます。


