決めた。
あたしにはこれしか選ぶ道はない。
これ以外考えられない。
祖母の家に向かった。
部屋に行って引き出しをあけた。
そこにあるのは、あの時もらったキーホルダー。
想うのをやめるためにここにしまった。
捨てることはできなかった。
捨てれなかったんはきっと…
大切だった人をたくさん失ったあの頃の自分は、失うというその言葉に不安があった。
失うことが不安だった。
これ以上失わないように、大切なものは残しておきたかった。
そのために捨てないであった。
でもその不安は消えた。
消えたと思うから、捨てよう。
消してくれたのは
オーニスでも他でもない
慶斗だから…


