-丈瑠side-



あいつ何組なんだろう。

そういや、名前も聞いてねえな。


「丈瑠!!!」


うわ!

びっくりした!!


「んだよ。洋輔かよ。
びっくりさせんじゃねぇよ。」

洋輔は俺のダチ。

関西出身らしく、
東京に来て何年もたつのに
いまだに関西弁がぬけないようだ。


「かよ、って何やねんな。
何回も呼んどるのに
お前がぼぉっとしとるからやろ。」


そんなにぼぉっとしてたのか。



「珍しいな。丈瑠が考えこむなんて。」


これは直樹。
学校一の秀才だ。
こいつにわからないことは
無いんじゃないかと思う。


「何でもねえよ。
ほら、南田来たぞ。」


がらがらっと扉を開けて
南田が教室に入って来た。