月の光の向こう側

「最悪だよぉ」

 小さな光が瞬く夜空を見ていたら涙が溢れてきて、視界がゆらゆらと揺れてきて、あたしは慌てて首を横に振った。

「泣くなんて馬鹿みたい」 

 マスカラが落ちないように、そっと指先で目尻に触れて涙の雫を拭いとる。

 会えるのを楽しみにしてたのに。
 ゆっくりと食事しながら話をしよう。最近仕事が忙しくて電話もろくに出来てなかったから、話したいこと沢山あるんだ。

 来月の連休に約束してた旅行の予定も煮詰めておきたいし、買うって言ってた車、何に決めたか聞きたいし、それから、それから……。