――どうしよう。


そんなことを思っていながらも、あたしは、ポケットの中に入れていた。


「帰ろ…」


あたしは、つぶやいて玄関を出た。外は、もう暗かった。


――アイツ…本気に本気なの?


あたしは、ポケットに手を突っ込んだのだった。