雅…そのピンク色の唇で…

 その口で


 俺に届くように言ってくれ。




 「言って…、そしたらイイもんやるよ?」



 そう言うと

 俺はポケットに手を突っ込んだ。


 
 いつも持ち歩いてたんだ。

 毎日、毎日。


 いつ渡そう?


 って悩んでた。



 でも、タイミングがわからない。




  
 今日、言ってくれたら

 渡すよ…。


 

 
 『雅…聞かせて』

 「何を…よ?」

 『わかってるくせに』

 

 しょーがねぇなぁ。