「龍…ッ!」



 彼の名を呼んでも

 龍は止まってはくれない。


 
 前へと進んでしまう。



 「龍、止まって!」


 
 なんども

 なんども

 叫ぶ。

 呼ぶ。

 

 彼は気づいてる。

 けど…

 いつものように

 あの笑顔を向けてはくれない。



 悲しみとイライラが同時に

 湧き上がってきた。