『いってらっしゃ~い!』


 あさみんが、バカップルに
 
 手を振った。


 あんこチャンと愁君は

 ラブラブに歩き出した。



 彼女たちの姿はだんだん小さくなっていく。






 羨ましい。

 

 こう思ったことは何度もあった。




 家族のこととか。

 友達のこととか。



 でも、はじめてだ。


 
 手を繋いでるのがうらやましいと

 思ったのは…。



 
 「よし!!!歌うわよ!!!」


 あたしは、いきなり大声で言った。


 『雅チャン歌う!?
  じゃぁ、行きますかー!!!』


 光瑠くんは、ニコッと笑いあたしの後を歩く。