「愛紗美チャン…俺と踊ってくれませんか?」


 勇気を振り絞って、言った。



 『え…?』


 
 すると彼女はキョトンとする。

 そりゃぁそーだよな。

 ビックリ?

 意外?



 「踊って…くれないよね…」



 俺は眉を下げて笑った。

 
 
 
 彼女は、きっと…

 片岡先輩と踊りたかったのだろう。



 そんな彼女と無理やり踊るなんて…

 自分がみじめ過ぎるんだ。




 余計に苦しくなるんだ。



 『光瑠くん?』

 
 心配そうな顔をして俺の名前を呼ぶ。


 その声。

 その顔。

 そのやさしさ。