俺の声なんて

 彼女の心には届いてない。


 悔しかった。

 
 でも、俺はそんなちょっとのコトで

 あきらめるような男じゃねぇ!!!


 
 別に愛紗美チャンが

 まだ片岡先輩のコトを好きでも…

 俺は愛紗美ちゃんが好きだから…。



 
 「愛紗美チャン?」


 俺は、彼女の肩をポンッとたたいた。



 すると、彼女は

 作り笑いをしてコッチに振り向く。




 …。

 こんな顔させるために

 声をかけたんじゃないんだ。




 俺は何をやってるんだ?

 俺は何がしたいんだ?



 彼女にこんな顔をさせたくない。


 真剣に

 思ったのだった。