保健室から、駆け出した。



 顔にものすごい傷を付けながらも…

 あたしは走る。


 走る。

 走る。

 走る。



 早く、謝らなきゃ。

 早く、話さなきゃ。



 早く…会いたいよ。




 「あさみん…」




 いたのだ、彼女は。




 教室の前で立っている。




 『雅』



 その声は、毎日のように聞き続けた

 聞き慣れた声。


 やさしく、微笑みかけるその笑顔。



 すべてが、あたしの心を優しく包み込む。