「先輩、私のコト好きじゃないんですよね?」

 『…』

 「いいですよ?本当のこと言ってもらっても」

 『………可愛いとは思うよ』



 改めて、可愛いなんて言ってもらえるのは…

 これで最後かもしれない。



 『でも…本気で好きじゃない。
  ごめん』

 「いいですよ。私も、先輩のコト好きじゃないですし」



 こういうと、先輩は『えッ?!』と言って

 目を丸くした。


 
 「なんちゃって…♪

  初めて出会ったのは…窓ガラスが割れた時」


 『…』

 「先輩、本当に覚えてます?」

 『…それは…』

 「やっぱりなぁ」

 『…ごめん』

 「あたしだけが…
  想ってましたよ。
  ずーっと…。恥ずかしながら」


 
 先輩は黙って下を向く。

 
 やっぱり、覚えてはなかったんだ。