「…全部は教えてあげナぃわよ!」


 『無理矢理でも知ってやる』


 「ダメ!無理!却下!」




 あたしは、鋭く睨みつけた。



 『じゃ、デートしますか!』


 「イヤよ!」




 あたしは、スタスタと走って廊下に出た。


 
 廊下から教室にヒョコッと顔を出して言う。



 
 「一緒に帰るだけにしてよねッ!」



 
 笑顔で言ったんだ。



 
 
 
 
 コレが、ヤツに見せる最初の笑顔だった。